生きる知恵

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安全からかけ離れている子どもの通学

 さて、みんなは日本の子ども達は安全に通学できる環境だと感じているだろうか。子どもが健やかに育つ環境が大事なのは当たり前のことであるが、一つ、オレが長年感じてきたことがある。

 子どもの登下校時に、横断歩道などで旗を持って安全見守りのために立っている人をみんな見たことがあるだろう。あれはどんな人達がやっているかご存じだろうか?国の宝である子どもが事故や事件に遭わないよう、通学時に学校まで安全誘導するという重要な任務だ。

 はっきり言おう。あの役割を担っているのは、専門のガードマンでもなんでもない素人だ。9割以上は、地域の高齢者である。しかもボランティアだ。

 この体制で「子どもの安全は大丈夫だ」と考えているのは、あまりにも呑気すぎる。「オレ達をバカにしてんのか?ちゃんと安全対策をしろ!」と子ども達は怒ってストライキしていいレベルだ。これは発達学的な視点でのことだが、高齢者になれば誰でも瞬発力などが低下する。ほんの一瞬に子どもに何か危険なことが起こった時に対応するのは困難なのだ。朝の子どもの通学時間帯に車を運転する人はよく見かけると思うのだが、横断歩道や交差点で誘導している高齢者のボランティアは、場所によっては、幹線道路の工事中に交通整理をしているガードマンと同じ位のスキルが必要な場面は珍しくない。そして、車や自転車の接近を瞬時に感じ取れずに、危うく交通事故になりそうな瞬間というのは、実は結構起こっているのだ。

 

 もう一つ重要なこともある。

 子どもの通学は、登校時よりも下校時の方がはるかに危険だ。これは簡単にわかることだ。地域差などもあるが、小学校の場合、朝は基本的に集団登校、下校時は各自バラバラだ。朝の集団登校は一人で歩くよりは安全だし、朝は学校に向かう緊張感と朝日による目覚めで、気が引き締まっている状態だ。しかし、下校時は違う。学校が終わって一息ついて気が緩んでいる状態であり、子どもの注意力は散漫になっていて、疲れも溜まっている。帰ってから遊ぶことや、帰宅後に行く習い事について気が向いていることもある。こういう時こそ事故に遭いやすいのであり、ちゃんと子どもを守るガードマンなどの専門の見守りが必要なのだ。上手く工夫すれば、こういう場面で雇用を生み出すことだって可能なはずだ。

 ちなみに、子どもが最も交通事故に遭いやすい時間帯は、夕方近くの16~17時だ。また、子どもを狙う犯罪者の出没含め、事件に巻き込まれる時間帯も概ねこの時間帯だ。

 

 少子高齢化の問題が顕著になって、ずいぶん長く経つ。子どもは大人が思っている以上に、世の中の空気を敏感に感じ取っている。自分が大事にされているかどうかを。

(作・イキルちえ)

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